
1930年代の Can't Bust 'Em カバーオール。サンフランシスコのエロエッサー・ヘイネマン社が作っていた作業着です。すでに手を離れており、当店を通っていった記録として掲載しています。
年代を絞る決め手が1つあります。このブランドを作っていた会社は1946年にH.D.リーに買収されました。つまりエロエッサー・ヘイネマン社名義の個体は、それ以前のものに限られます。買収の年が、そのまま年代の上限になります。
キャント・バステム(Can't Bust 'Em)は、サンフランシスコのエロエッサー・ヘイネマン社が作っていた作業着です。会社の始まりは1851年。レナード・D・ヘイネマンがロンドンで商売を始め、サンフランシスコへ渡ってきました。当初はリネン、絹、ビロード、手袋、絨毯、毛布を扱う商社です。1890年代から作業着に軸足を移しました。
ブランド名が使われ始めたのは1876年。商標が登録されたのは1909年8月です。「くたばらない」という意味の、そのままの名前でした。雄鶏の絵と「UNION MADE」の文字が、この会社の印です。
1906年のサンフランシスコ地震で本社が焼け、バッテリー通りに再建。1933年にミッション通りへ移りました。その年、15歳で入社して社長まで務めたアーサー・エロエッサーが亡くなっています。会社そのものは1946年にH.D.リーへ売却され、消えました。
作業着は着倒されて捨てられるのが前提の品です。この会社が消えて80年、新しく作られることは二度とありません。残っている数だけが、この先ずっと上限になります。
買い付けの場所は、カリフォルニア州サクラメント、サンフランシスコ、オレゴン州ポートランド、そしてロサンゼルスのローズボウルに集まる業者からでした。ローズボウルの市が開くのは6時ですが、業者の車は午前1時頃から場外に列を作ります。取引はその列のなかで済んでしまう。6時に一般のお客さんが入ってくる頃には仕事が終わっていました。
※ この個体を具体的にどこで手に入れたかは、追って記載します。
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